こんにちは。ラジオ講座×TOEICブロガーのNori (🐤@Nori_odashi)です。
のり
戸塚隆将著『世界で活躍する日本人エリートのシンプル英語勉強法』を紹介します!
【書評】シリーズ第1弾・2弾もよろしくお願いします!
すべての英語学習者が知っておきたい王道の3ステップとは?【書評】
SLA(第二言語習得論)で『英語はもっと科学的に学習しよう』【書評】
本書の構成
本書は10の章で成り立っていますが、大きな流れは下記のとおりです。
①英語学習についての誤解を解く
②英語学習の本質を説明
③具体的な英語学習6ステップの解説
ちなみに、本書は『英語はもっと科学的に学習しよう』を参考文献にしているそうです。
ココが良かった!~日本人に最適な勉強法がわかる!~
本書最大の特長は、「シンプルな英語」の習得にコミットしている点です。
日本人は誰でも、どんなレベルでも「英語が苦手」と言います。それはなぜだろうか、と考え続けました。
辿り着いた答えは、日本人の目指しがちな「ペラペラ話す」という目標がいけない、ということでした。そこから「シンプルな英語」を効率的に習得するにはどうすればいいかを体系的に整理し、プログラムに落とし込んでいったのです。(p.13)
つまり、日本人が目指すべき姿(シンプルな英語=簡潔に用件を伝える英語)を提示し、その目標に向けた最短距離の英語勉強法を教えてくれます。
特にビジネスシーンでの英語使用を考えている人にとって、このプログラムは効果的です!
ここでは紹介されている6ステップを簡単に紹介していきます。
①「ブロークン」でもいいからとにかく話す
②正しい発音を「まず頭で」理解する
③英文を「前から」解釈しながら読む
④「音読とセットで」ひたすら聴く
⑤結論と根拠を明確にして「ロジカルに」書く
⑥かならず「フルセンテンスで」話す
①「ブロークン」でもいいからとにかく話す
日本人が英語学習をするとき、よくあるのが、
というものだと思います。
でも、「シンプルな英語」という目標に照らし合わせるなら、この方法は間違いです。
私は発音をロクに勉強せずに、オンライン英会話にチャレンジしました。
そこで、2つのことがわかりました。
・完璧な発音じゃなくても意外と通じる。
・発音が悪くて通じないこともある。
「なんじゃそりゃ」って気がするかもしれませんが、事実です。
英語は オール or ナッシング ではありません。
伝わるものと、伝わらないものがでてきて当たり前。
伝わらなかったものを、どうやって伝えればいいのかを考えるから伸びます。
「悔しい!」とか「次は伝えたい!」と思うから、発音の勉強に身が入ります。
そういう意味で、ステップ1に「話す」ことが入っているのは素晴らしいなと思いました。
ブロークンでコミュニケーションをとる一方で、自分の英語をどうレベルアップさせるかを、常に振り返ることも大切だということは覚えておきましょう。(p.93)
TOEICの勉強をすると英会話の上達が早くなる!《オンライン英会話》受講感想
②正しい発音を「まず頭で」理解する
目指すべき発音は、英語の正しい音の基本を理解して、正確な発音を目指し、丁寧に繰り返し練習することで身につきます。(p.103)
これも秀逸なアドバイスだと思います。
「ひたすらマネをして覚えましょう!」みたいなアドバイスがありますが、それで身につくのは子供のうちだけだと考えましょう。
また、大人の学習は、頭で理解していないとすぐ忘れてしまいます。
理論をしっかり学んだうえで、反復練習をするのが発音の近道です。
【発音のコツ】 “m” “n” “ng”は全部「ん」!? 日本人だからできる練習法!
③英文を「前から」解釈しながら読む
意味を理解するうえで大切なことは、…(中略)…個別の「単語の意味から類推」していくのではなく、まずは「英文の骨格から全体像をつかむ」ことです。(p.143)
英語は「文型」の言葉です。
単語が難しくてもその文章の骨格(文型)を理解すればおおよそ内容把握ができます。
本書では具体的な勉強法として「サイトラ(スラッシュリーディング)」を紹介していて、そのやり方が詳細に記されています。
大事なのはその際に「誰が/何が」「どうする/どんなだ」を意識すること。
これはリーディングはもちろん、リスニング・スピーキングにも生きてきます。
2018年度の《ラジオ英会話》でもこのように述べられていますよ。
英語をマスターするために最も大切なのは、基本文型-文の設計図-をマスターすることです。(ラジオ英会話2018年4月号より)
【2018年度】《ラジオ英会話》で英文法のハートをつかもう!
④「音読とセットで」ひたすら聴く
のり
このブログでも何度も紹介している《音読》は、絶大な効果が証明されています。
本書では、音読とリスニングをセットで行うことで相乗効果が期待できるとのこと。
音読の注意点として、本書内では以下3点が挙げられています。(p.183)
①個別の発音および音と音のつながり(リエゾン)を意識する
②英文の切れ目、構造を意識しながら前から解釈する
③パラグラフにおける要旨を意識しながら一文を読む
のり
⑤結論と根拠を明確にして「ロジカルに」書く
英語学習は理論×実践です。
この章では英語を論理的に書くためのマインドと、実践で使えるテクが紹介されています。
たとえば、
・「明確な結論」と「その根拠」を!
・「身近なトピック」で書く練習を!
・つねに「簡単な英語で表現できないか」を考える!
具体的にどんなやり方があるのかは、ここでは紹介しきれないので、気になる人は書籍で確認してみてくださいね。
⑥かならず「フルセンテンスで」話す
最後のステップは、スピーキング力をあげるコツです。
実は、私がオンライン英会話で心がけていたことと一致していて、驚きました(笑)
オンライン英会話の先生は優しいので単語しか言わなくても汲み取ってくれますが、それに甘えてはいけません。
きちんとした文章で答えようとすることで、文法への意識が高まります。
(過去記事・TOEICの勉強をすると英会話の上達が早くなる!《オンライン英会話》受講感想より引用)
また、この章では何よりも「伝えること」の重要性を強調しています。
難しい表現はなく、自分が使える表現で説明をする。こうした練習は当たり前ですが大事だなぁと私も思います。
ちなみに著者は、フルセンテンスで話す力はネイティブスピーカーと話すよりむしろ日本人同士で高められると言っています。
ネイティブスピーカーにとって、私たち日本人がどのような文法の基礎知識を持っているのか、どの表現を難しいと感じるのか、を判断するのはとても難しいことです。どのタイミングで助け船を出すべきかがわからないため、フルセンテンスで話しきる力を伸ばすには逆効果となる助け船が出されてしまうのです。(p.221)
なんて人も、これなら安心ですね!
まとめ~シンプル英語が日本人を救う~
あなたが「英語を身につけたい!」と思った理由はなんでしょうか?
それがもし「英語で自分の意思を伝えたい!」というものならば、この本の「シンプル英語」がひとつの正解になります。
この本には、この記事で紹介できなかったこともたくさんあります!
もしあなたが「シンプル英語」を身につけたいのであれば、一読の価値はありますよ!
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