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英語の読み方が不規則なのはなぜ?マルチリンガルが解説してみた!

この記事を書いた人
わた
マルチリンガール

10以上の言語と戯れるマルチリンガル(多言語話者)帰国子女。日本語とスペイン語のネイティブスピーカーで、英語はニアネイティブ。大学時代に交換留学生として1年間韓国へ留学。中高生の受験対策指導、社会人向け個別指導など英語講師としての指導実績多数。2020年からはオンラインで世界中の生徒に日本語を指導。TOEIC960点、スペイン語実務翻訳士。当ブログでは多言語学習や海外生活の記事を中心に執筆。最近はスウェーデン語にハマっている。

わた

こんにちは♪ マルチリンガールわた (🐤@norinoricotton)です☺️

さて、突然ですが、以下の単語を声に出して読んでみてください👂

one
now
know
low
allow
Wednesday
beautiful
dangerous
home
honest
psychology
fiancée

いかがでしょうか?

馴染みのある英単語や、そうでないものもあるかもしれませんが、これらの単語のスペリング(つづり)と読み方に規則性を見つけることはできますか?

仮にある程度の規則性を見つけることができたとしても、例外の数が膨大で、結局のところ規則性はないと言ってもいいと思います😅

少なくとも学校で習うヘボン式のローマ字読み(例:ヤマダ タロウ→Yamada Taro)とは訳が違いますよね。

「こういうつづりだったら、こういう読み方になることが多い

とは言えても、全く初めて目にする英単語の読み方を100%正答することは不可能ということです。

lowは「ロウ」なのに、一文字置き換えただけのnowは「ナウ」。

lowに二文字加えたallowはなぜか「アロウ」ではなく「アラウ」。

nowは「ナウ」なのに

kを一つ足しただけのknowは「ノウ」。

そもそもkの音はどこに行った?🤔

スペリングと発音の規則性が低すぎて、つづりを覚えるために例えばWednesdayを「ウェドゥネスデイ」、beautiful「ベアウティフル」、dangerousを「ダンゲロウス」と声に出して覚えた人も多いかと思います😅

身近な外国語であるがゆえに、あまり疑問に思わずに、ただただスペリングと発音をそれぞれ暗記してきたのではないでしょうか?

なんと世界には何千もの言語がありますが、その中でも英語はスペリングと発音の乖離が激しい言語の上位を争う言語なんです。

今回はスペリングと発音の乖離の原因の一つである、英語の外来語について、少しだけ触れたいと思います👀

外来語が8割!!

驚くことに、なんと英語の語彙の8割近くが外来語なんです!

つまり、本来の英語のルーツを持つ単語(本来語)はたったの2割!

皆さんが勉強している英語という言語の8割が、実は他の言語から来ているってすごい衝撃ではないでしょうか?😳

では具体例を少しだけ見ていきましょう。

フランス語🇫🇷

フランス語から英語に借用された単語は膨大で、1万5,000語以上とも言われています!

フランス語(〜ラテン語)の外来語だけで、英語の語彙の6割を占めます*😱

例えば、

blue, city, finish, flower, pork, river, bouquet, fiancé など。

他にも、

appointment や agreement のような-mentで終わる名詞、

conversation や conclusion のような -tion, -sion で終わる名詞はほとんどフランス語由来です。

いかにも英語の顔をしている単語たちがなんとフランス語由来なんです🤭

ビックリですよね😳

これは11世紀から数百年近くにわたって、フランス語を話すノルマン人の王がイギリスを支配していたためです。

この間、フランス語が公用語になり、支配層、宮廷、議会、学校などでフランス語が話され、英語に多大な影響を与えたわけです。

(*ラテン語とフランス語は親子のような関係なので、語彙が似ているものが多くあります。そのため、厳密には、ラテン語から直接英語に借用されたものと、フランス語を経由して英語に借用されたものがあります。つまり正確には、ラテン語由来の単語とフランス語由来の単語を合わせて英語の語彙の6割を占める、ということです💡)

ギリシャ語

フランス語(〜ラテン語)の次に多いのがギリシャ語で、英語の語彙の6%を占めます。

科学・医学分野の学術用語・専門用語のちょっと難しめな単語は、ギリシャ語由来のものが多いです。

例えば、

Anthropology や psychology、technology など -logyで終わる名詞。

Geography や photography、biography など -graphyで終わる名詞。

Economy、astronomy、gastronomy など -nomyで終わる名詞。

他にも、

cycle, graph, therapy, oil, desk, dish, hour, paperなど、とっても身近な単語がギリシャ語由来。

他の言語を経由している例もたくさんありますが、元を辿ればギリシャ語だったりします。

他にも…

スペイン語(guerrilla, alligator, tornado)

イタリア語(umbrella, balcony, pizza, piano)

アラビア語(coffee, cotton, alcohol, alkali, algebra, sugar)

ペルシャ語(jasmine, lemon, orange, pajamas, paradise, pistachio)

などなど、世界中の言語を介して、たくさんの語彙を取り入れたのが現代の英語なんです👀

本来の英単語は?

では、英語本来のルーツ(古英語・中英語・古ノルド語など)を持つ単語(本来語)は…

father, mother, son, daughter, brother, sister, husband, wife など家族を指す単語。

book, house, body, mouth, hand, finger, ask, begin, run, get, take, callなどの基礎単語。

意外とやさしい単語が多い印象ですね☺️

なんでつづりと発音が一致しないの?

ここまで英語の外来語と、本来語をざっくりご紹介しました。

英語は、大量の外来語と本来語が混在している言語だということが分かったと思いますが、ではなんでつづりと発音に規則性がない言語になってしまったのでしょうか?

他のヨーロッパ言語でも、多くの外来語を借用して成り立っている言語がありますが、英語のようにつづりと発音が一致しない言語は珍しいです。

英語は、大量の外国語の語彙をそのまま導入しながら、元々の言語に近い発音で入ったものもあれば、イギリス流の発音で入ったものもあり。

一つの単語を表すのに、複数のスペリングが存在するということも珍しくなかったんです😱

実は、18世紀以降、幾度となく専門家や言語学者が、発音に合わせたスペリングにしようと正書法(つづり字)改革の動きがありましたが、大きな改善には至りませんでした

スペリングの正しい発音を知っていることが、階級社会において、知識人の教養として捉えられていたため、発音をつづりに反映させたり、分かりやすいつづりにすることに抵抗があったそうです。

また、輸入元の言語のつづりを維持することによって語源の痕跡を残すことができるという考えや、伝統的なスペリングにこだわる言語学者の反対もありました。

実はイギリス英語とアメリカ英語のつづりの違いは、この正書法改革の一例なんですよ😀

何はともあれ、結果的に、我々英語学習者には悩ましいスペリングと発音の乖離が起きてしまったというわけですね💦

まとめ

今回は、「英語のつづりと発音に規則性がない」という大問題の背景をご紹介しました!

・英語は、語彙の8割が外来語で、多くの言語の言葉を借用してきた。

・たくさんの外来語を取り入れる過程で、言語を文字で正しく記述するルール作りがうまくいかなかった。

他にも今回触れなかった大母音推移というイギリス全土で起きた母音の音声変化があったのですが、興味のある方はぜひ調べてみてください😊

なかなかクセモノな英語のスペリングと発音ですが、借用語が多いということは、その借用元の言語を学ぶ時に有利という意味です💡

勉強せずとも、フランス語で書いてあることが、なんとなーく分かっちゃったりする、ということですね!

辞書によっては、語源が載っているものもあるので、ぜひ見てみてくださいね☺️

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