わた
世界で幅広く話されている英語ですが、英語ネイティブである人たちよりも圧倒的に非ネイティブの英語話者の方が多いのが現実です👀
日本国内はもちろん、一歩海外に出たら、多かれ少なかれ、英語がネイティブではない人の英語を耳にすることになります👂
ところで、スペイン語ネイティブの人と英語を話したことはありますか?
スペイン語と英語はかなり近い関係にあり、習得度の差こそあれ、日本を一歩出るとスペイン語・英語バイリンガルは珍しくありません。
私もその一人です🙋♀️
そんな英語がペラペラのスペイン語ネイティブたちですが、時としてビックリするような英語の間違いをすることがあるんです!
今回は、言語学習者の誰もが経験する言語転移と言語干渉の2つのキーワードを通して、スペイン語ネイティブが「間違いやすい英語」を解説します😎
- スペイン語を学習中の人
- 非ネイティブの人と英語を話す機会がある人
- 言語転移や言語干渉に興味のある人
言語転移と言語干渉ってなに?
スペイン語ネイティブが間違いやすい英語の話をする前に、言語学習者の誰もが経験する言語転移のお話をします!
そもそも言語転移とは、外国語を学習する際に、すでに習得済みの言語(多くの場合第一言語・母語)の規則を学習中の他の言語に当てはめてしまうこと。
例えば、多くの日本人(日本語が第一言語・母語の人)が英語を学習するとき、英語なのに日本語の文法・語順・発音などを当てはめてしまいますよね?
この言語転移という現象は、「正の転移」と「負の転移」の二つに分けることができ、実は必ずしも悪い影響であるとは限りません👀
ラッキーな「正の転移」
仮に、習得済みの言語と、学習中の言語の規則に共通しているところがあれば、習得済みの言語に影響されたところでプラスに働くわけなので、ある意味ラッキーなわけです。
このように言語転移が外国語学習の助けとなる場合、それは「正の転移」と呼ばれます✨
日本語を話す人にとって、韓国語を学ぶのが比較的簡単なのも、文法や語彙・熟語に共通点が多く、「正の転移」が働くから。
日本語を話す人にとって、中国語を学ぶハードルが低いのも、同じ「漢字」という文字を共有していて、「正の転移」が働くからです。
また、言語体系が非常に似ているスペイン語、ポルトガル語、フランス語、イタリア語の話者は、お互いの言語を習得するのが他の言語に比べて容易なのも「正の転移」が働いているから、と言えます👌
スペイン語ネイティブはポルトガル語・フランス語・イタリア語が理解できるか検証!
厄介な「負の転移」=言語干渉
逆に、言語転移が外国語学習者の妨げとなる場合、それは「負の転移」と呼ばれ、非常に厄介です😱
これは、学習中の言語の言語体系が似ている・似ていないに関わらず、全ての外国語学習者を悩ませると言っても過言ではありません。
負の転移は、習得済みの言語が干渉することに起因するので「言語干渉」とも呼ばれます。
ちなみに母語(第一言語)が干渉する場合は「母語干渉」とも言います👀
いくつか例を見てみましょう!
日本語・英語間の例
まず、言語的共通点の少ない日本語と英語間の負の転移を見てみましょう。
例えば、日本語のカタカナ英語は、英単語を覚えるヒントとして、助かる場合が多くありますが、逆に和製英語であった場合は、妨げにしかなりません😂
パソコンやオートバイなどの省略語は、英語では通じませんし、通じそうなテレビゲーム、クーラー、カンニング、ボリューミー、マイナンバーなどもそれっぽく言っても残念ながら通じません(笑)
(英語では、personal computer, motorcycle, video games, air conditioner, cheating, voluminous, individual number)
このように和製英語は、英語を学習する際には注意が必要ですね。
日本語・韓国語間の例
次に、言語的共通点の多い日本語と韓国語間の負の転移を見てみましょう。
例えば、日本語と韓国語では助詞(てにをは)の使い方が似ており、直訳で大丈夫、と考えがちです。
でも、実際には例外もあります。
日本語で「会う」という動詞は「〜に」という助詞を使いますが、韓国語では「〜を」を使います。
「〜に会う」「을/를 만나다」
この例外を学習していても、学習者はつい第一言語(母語)に影響されて、
*「〜を会う」*「〜에게 만나다」
などと間違って言ってしまうのです。
*は誤用・非文法的であることを指します👀
スペイン語ネイティブが間違いやすい英語
というわけで、言語転移と言語干渉について、日本語と他の言語を例に説明しましたが、要はどの言語話者にもある言語を学ぶ際に、習得済みの言語(多くの場合第一言語・母語)につられてしまう傾向の多い間違いがあるということです👀
つまり、スペイン語ネイティブにも当然間違いやすい英語がある!ということ。
ここでは、具体的な例をいくつか挙げて、スペイン語ネイティブがおかしてしまいがちな英語の誤用の背景を解説します!
比較のthat?
スペイン語ネイティブの英語学習者で、一番耳にする間違いは、おそらくこの比較のthat😅
- *You are taller that me.
- *Reading books is more interesting that studying math.
わた
英語の比較級は、形容詞や副詞の語尾に -er、場合によっては前にmoreをつけます。
そして、比べる対象にはthan をつけて「〜よりも〜だ」という意味になりますよね。
- You are taller than me.
- Reading books is more interesting than studying math.
スペイン語の比較級では、moreの代わりにmás、thanの代わりにqueを使います。
- Eres más alto que yo.
- Leer libros es más interesante que estudiar matemáticas.
このqueですが、スペイン語では比較級のみならず、接続詞・関係代名詞・関係副詞のthatにあたる単語も全て同じqueを使い、非常に万能なんです!
英語 | スペイン語 | |
比較級 | than | que |
接続詞 | that | que |
関係代名詞 | that | que |
関係副詞 | that | que |
そのため、スペイン語ネイティブは、うっかり比較級にもほかと同じthatを当てはめてしまうというわけですね😅
似ているからこその、間違いで、日本語ネイティブは逆になかなかできない間違いですよね💦
「人に」は必ず「to 人」?
次は、結構悩んでるスペイン語ネイティブが多いんじゃないかな、という間違い。
- *I gave to Peter a card.
- *He told to Mary to hush.
①の文は、第4文型で、「主語+動詞+間接目的語(人)+直接目的語(物)」で、toは必要ありません。
toが必要なのは、第3文型に書き換えた場合で、主語+動詞+直接目的語(物)+to 人にした場合ですね。
②の文は、第5文型で、tell+人+to 動詞の構文を取るので、人の前にtoは不要です。
- I gave Peter a card. / I gave a card to Peter.
- He told Mary to hush.
では、なんでこんな間違いをしてしまうのでしょうか👀
それは、スペイン語では構文や語順に関わらず、間接目的語(人)の前にはtoにあたる前置詞aを置くからです👌
- Le di a Peter una carta. / Le di una carta a Peter.
- El le dijo a Mary que se callara.
人称代名詞を使う際や、形容詞を使う際などに、一部例外はあります。
Él me dijo que me callara.
Usted es muy amable conmigo.
でもとにかくスペイン語ネイティブは間接目的語(人)の前にtoにあたる何かを置かないと気が済まないのです(笑)
そういうわけで、英語のこの語順や構文によってtoがついたりつかなかったりするのは非常に厄介で間違いやすいわけです😅
わた
最後に〜言語転移を味方につけちゃえ〜
今回は、言語転移・言語干渉についてご紹介しました!
正の転移であればラッキー、負の転移であれば厄介、と言いましたが、実は私が外国語を学習するときにこの「ラッキー」や「厄介」を見つけるのが楽しくて仕方ないんです😄
言語体系の似ている・似ていないに関わらず、「この言語の〇〇は、まんまあの言語と一緒だな😌」とか、「この言語では××なのに、こっちでは違うんだ!!!」といった驚きにトキメキを感じます😍
そういった違いや共通点からポロッと溢れる言語干渉は、もうたまらないですね(笑)
今回ご紹介したのはほんの数例なので、みなさんもぜひ、自分自身が話す外国語はもちろん、他の人が話す外国語にも耳を傾けて、言語干渉にときめいてみてください😚(笑)