落ちこぼれの私がTOEIC925点を取れた理由とは?

マルチリンガルの頭の中っていったいどうなってるの!?

この記事を書いた人
わた
マルチリンガール

10以上の言語と戯れるマルチリンガル(多言語話者)帰国子女。日本語とスペイン語のネイティブスピーカーで、英語はニアネイティブ。大学時代に交換留学生として1年間韓国へ留学。中高生の受験対策指導、社会人向け個別指導など英語講師としての指導実績多数。2020年からはオンラインで世界中の生徒に日本語を指導。TOEIC960点、スペイン語実務翻訳士。当ブログでは多言語学習や海外生活の記事を中心に執筆。最近はスウェーデン語にハマっている。

こんにちは♪マルチリンガールわた (🐤@norinoricotton)です😊

言語トークとなると余念がないマルチリンガル(多言語話者)な私ですが、そのトークの中で、

わたさんの頭の中ってどうなってるの?

他の言語が混ざったりしないの?

どうやって複数言語のレベルを維持しているの?

といった質問をよくされます👀

「マルチリンガルは異質な存在だ」という認識の人も多いのではないでしょうか。

マルチリンガルが当たり前にしていることでも、そうでもない人にはなかなかイメージが湧きにくいもののようなので、今回はそのような質問にお答えしようと思います😊

バイリンガル・マルチリンガル同士の会話ってどんな感じなの?

マルチリンガルの頭の中はスイッチでいっぱい

私が日本語・英語・スペイン語など何かしらの言語で話す際、おそらくモノリンガル(単一言語話者)の人が話す時と同じ感覚だと思います。

つまり、何も難しいことをしようとしているわけではなく、ただ聞いている相手に何かしらの情報を伝えるべく(時には独り言として)言葉を発するということです。

左脳は論理的な思考・言語をつかさどり、

右脳は感情面や感覚的なものをつかさどる、、、云々。

と言われますが、話す時に当たり前ながらそのような難しいことは一切考えません(笑)

スイッチを切り替える

おそらくモノリンガルの人との違いは、一つの言語から他の言語に切り替える時にあると思います。

感覚としては、スイッチを切り替える💡イメージです。

日本語を話す時は、日本語で考えます。

感情面でも日本人的な自己が表に出ているので、リアクションも割と普通に日本人です。

しかし、ここで英語で話そう、となると、スイッチはパチっと切り替わり、

英語で話す時は、英語で考えます。

感情的な面でも、英語を話す、日本人らしくない自分になるので、リアクションは明らかに日本人らしくなくなります。

わた

Oh, wow! Oh, my gosh! Ewww, that’s gross…😱

などがポロポロ出てきます。

そして、スイッチが完全に入れ替わっているため、二つ以上の言語が混線することはあまりありません。

日本語には日本語特有の、英語には英語特有の、どんなに上手に訳してもうまくニュアンスが伝わらない表現というものが数多くあります。

そういう表現は、そもそも他の言語にはない(もしくは頻度の低い)ものなので、滅多に口から出ることはないのです。

もちろん「英語のこの単語、日本語でなんていうんだっけ」みたいなものはそこそこ日常でありますが、基本はスイッチでパチパチ切り替わります。

言語のみならず「自己」までもを切り替えるこのスイッチは、

バイリンガルであれば、スイッチが二つ。

トライリンガルであれば、スイッチが三つ。

マルチリンガルであれば、スイッチがそれ以上。

私の頭の中には、日本語、英語、スペイン語、韓国語、フランス語などなどと複数のスイッチが存在しているということです。イメージですよ👀

他の言語が混ざったりしないの?

混ざるときも混ざらないときもあります。

より正確にいうと、「混ぜるときもあるし、混ぜないときもある」と言った感じでしょうか。

考えてみたところ、この「混ざる・混ざらない」現象は3種類に分けることができました。

(意識的に)混ぜない=混ざらない

先ほども言ったように、基本的にある言語で話しているときは、その言語で考えています。

当然、話してる相手も同じ言語で話しています。

そしてここが重要なのですが、相手がその言語しか分からないとき、そのときは、言語が混ざる(言語を混ぜる)ことはありません。

例えば、スペイン語が話せない日本人の友人に、突然スペイン語で話しかけることはない、ということです。

理解できない言語でペラペラ話されても、コミュニケーションは成立しないし、きっとフラストレーションが溜まるだけですよね(笑)

だから、混ぜないのです。

相手が分からない言語の言葉は混ぜない=混ざらない

(意識的に)混ぜる

では、どういう時に言語が混ぜるかというと、あくまでも相手も自分も同じ複数言語を同じレベルで共有している時です。

通常ある言語で話している時、スイッチは完全にその言語になっているので、その言語で話し、考え、リアクションやジェスチャーもその言語特有のものになります。

しかし「この状況で、この感覚の言葉を言いたい」となった時、かつその感情にピッタリの表現が話している言語には存在しない時、言語をスイッチさせ、意識的に混ぜる時があります。

当然、聞いている相手も、そのピッタリの表現を自分と同じだけ理解しているので、コミュニケーションが円滑に進みます👍

相手も同じ複数言語を同レベルで理解でき、ある言語の表現の方がしっくりくるときは意識的に混ぜる

(無意識に)混ざる

最後は、無意識のうちに混ざってしまう、というものですが、以前【マルチリンガルへの道①】バイリンガルが帰国子女トライリンガルになるまでで、私がスペイン語と英語を混ぜて使っていた、ということをご紹介しました。

【マルチリンガルへの道①】バイリンガルが帰国子女トライリンガルになるまで

ご紹介した状況は、意図的にスペイン語と英語を切り替えていた場面だったのですが、実はこの友達とは、常に言語がごっちゃ混ぜでした(笑)

学校では(特に先生の前では)スペイン語を話してはいけない、英語を話さないといけない、という縛りがあったため、割としっかりTPOをわきまえて言語を選択していました。

しかし放課後や、学校の外で会うときは、自由気ままに好きな言語で話せます。

感覚として、英語もしくはスペイン語で相手に何かを伝える際、どちらの言語も負担にならないため、どちらで話しても特に違いはありません。

もちろんお互いスペイン語のネイティブスピーカーなので、スペイン語の方が楽なのでは、と思いがちです。

でも割と学校のことや、授業のこと、学校の先生の話などは英語の方が良かったり、そうでなかったり、と本当に自由気ままにスペイン語・英語を混ぜて、話していました。

ただし無意識に混ざるには、いろいろ条件が合わないと成り立ちません。

無意識に言語が混ざる条件

①自分と相手が同じ複数言語を同じレベルで話せること。

②その多言語を理解できない人がその場にいないこと。

③学校や職場など、かしこまった場ではなく、比較的くだけた、リラックスした状況であること。

なかなかこの3条件が揃うことってないです😅

言語と言語の距離

実はもう一つ「言語が混ざる・混ざらない」は、その二つの言語の距離がどの程度あるのか、ということも深く関わってきます。

例えば英語とスペイン語は、発音はだいぶ違いますが、語順・文法・語彙・表現など多くの点で共通している部分がありり、比較的近い言語であると言えます。

しかし、ご存知の通り、英語と日本語の間には、英語・スペイン語間ほどの共通点は多くなく、比較的遠い言語なのです。

言語と言語の距離が近ければ、混ぜやすく、言語と言語の距離が遠ければ、混ぜにくい、と言えます。

バイリンガールちかさんの英語と日本語

バイリンガルと言えば、Youtuberとして活躍されているバイリンガールちかさんが有名ですよね。

わた

わたもちかさんの大ファンなのですが💓

ちかさんは、ほぼ同じ内容の発言を自然な英語と自然な日本語で、交互にすることが多くあります。

でも実は「バイリンガルだったら誰でもできること」では決してないのです!

こちらの動画は、日米カップルYoutuberのRachel & JunのRachelさんがちかさんたちに、帰国子女インタビューしたものです😎

もともと英語の方が得意だったちかさんが、日本に渡った後、すごく苦労し、努力をして今の日本語のレベルにまで持ってきたということです。

距離の遠い二つの言語をスムーズに行き来するには、訓練が必要なのです。

私もインターナショナルスクールを卒業した後、日本に帰国し、日本語の大学で英語の講義を受けた際、英文和訳を口頭でする課題があったのですが、

なかなか上手くできず、意味は完全に分かっているのに、自然な日本語に訳せなくて、すごくもどかしい思いをしました。

英語を使うときは、英語で考え、日本語を使うときは日本語で考えていたため、英語を日本語にする習慣が一切なかったのです。

自分の発言ならそれほど難しいことではありませんが、他人の発言やかしこまった文章となるとわけが違います。

また、日本語とスペイン語がどちらもネイティブ言語な私ですが、ネイティブスピーカーであっても、この二つの言語間で通訳をするとなると、なかなか骨が折れました。

その後、通訳の訓練をしたり、英会話を教える仕事などを通して、スムーズにできるようになりましたが、今でもやはりその言語はその言語で考え、発言するのが一番楽ですね😅(笑)

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どうやって複数言語のレベルを維持しているの?

「レベルを維持する」というと、毎日すごく努力をして忘れないように、忘れないように、としているイメージがあるかもしれません。

でも言語スキルはある程度までやったら、自転車の乗り方や、餃子の包み方、ピアノの弾き方などと同じように、頭で考えてすることではなく、体が覚えているもの。

つまりちょっとやそっとじゃ忘れるようなものではないと思います。

この「ある程度までやったら」というのがポイントです。

例えば、”I love you”という表現を忘れることはないですよね?

これは、もう何も考えずしても、このワンフレーズが体に染み付いているから忘れない、ということです。

そして、ある人にとっては英語の現在完了形であったり、またある人にとっては仮定法であったりを忘れてしまう、というのは、その使い方・スキルが体に染み付いていないから、定着していないから、と言えます。

私が日常的に常に触れている言語は、身の回りの人と話す日本語と、仕事中に使う英語の二つの言語ぐらいです。

ただ、スペイン語やフランス語、韓国語など、ある一定以上習得しているものは、日頃使わないため、スイッチの入りが悪かったり、微妙に錆び付いてもしまうことはあっても、使い物にならないほど忘れてしまうことはありません。

仮に少しその言語で考えて、ひとりごとを言ってみたり、ドラマを連続で見たりしているうちに感覚が戻ってくる感じです👀

最後に〜マルチリンガルだって人間〜

私なんて英語で四苦八苦しているのに、三つ目なんて、、、

マルチリンガルに私たちの気持ちなんて分からないよ。

たまにこういうことを言われることがあります。

確かにある言語を習得する時期や習得レベル、数に違いはあるかもしれません。

ただ、マルチリンガルも同じ人間。

その一つ一つの言語に向き合う姿勢や過程は同じだと思います。

今回はマルチリンガルの頭に焦点を当ててご紹介しましたが、皆さんの外国語学習のヒントになるものがあればいいなと思います!

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