こんにちは!マルチリンガールわた (🐤@norinoricotton)です😎
世界各地で、何世紀にもわたって、親から子、先生から教子、世代から世代へ受け継がれた教訓や知恵の数々が「ことわざ」や「慣用句」という形で現代に残っています。
前回ご紹介した『翻訳できない世界のことば』に続き、今回はエラ・フランシス・サンダース著『誰も知らない世界のことわざ』(原題:The Illustrated Book of Sayings: Curious Expressions from Around the World)をご紹介します。
正直、なんで日本語の題名が「誰も知らない」なのかすごく疑問です🤔
でも、ひとつひとつのことわざの説明だけでなく、それが語られる言語の背景も取り上げているので、言語オタク的にはとても興味深い本になっています(笑)
今回は、この本に掲載されている51のことわざや慣用句のうち、わたが素敵だと思った動物にまつわる「世界のことわざ」と愛とロマンスの言葉をピックアップしました☺
*ご紹介することわざは『誰も知らない世界のことわざ』に掲載されているものですが、ことわざの意味や説明は、わたが独自に調べたものです。
翻訳できない世界のことば9選〜言葉の奥深さとスパイスをあなたに〜
世界の愉快な動物たち編
昔の人は、現代人よりもずっと深く、密接に動物と関わっていました。
その観察眼には目をみはるものがたくさんあります👀
Da steppt der Bär 〜ドイツ語〜
「そこではクマがタップダンスを踊っている🐻」
「大勢の人が集まるすごく楽しいパーティ」を表す表現です🎉
クマが踊るくらいですから、相当楽しいはずですね!
すごく盛り上がっているときや、魅力的な場所を表すときにも使える表現ですよ。
わた
까마귀 날자 배 떨어진다 〜韓国語〜
「カラスが飛ぶやいなや、梨が落ちる」
カラスが飛んだから、梨が落ちたのか。
それとも、梨が落ちたから、カラスが飛んだのか。
うーん🤔
難しいですね(笑)
このことわざは、「二つの出来事が同時に起きた時、必ずしも因果関係があるわけではない」という意味。
人間は無関係な二つの出来事をどうにかして関連付けたくなるみたいですが、実は関係がなかったりするので、早とちりしないように注意しないとですね😅
Matkustaa jäniksenä 〜フィンランド語〜
「ウサギとして旅をする🐰」
それはそれで楽しそうですが(笑)
「密航者として無賃で乗り物に乗って旅行をする」という意味です。
小柄なウサギだからこそできることですが、捕まったら大変ですね。
ちなみにフィンランドでウサギといえばユキウサギ。
冬には真っ白になります!
日本人が想像する一般的なウサギよりかは少し大柄のようですよ🐰
马马虎虎 〜北京語〜
「馬馬虎虎🐴🐯」
このことわざは、「飛び抜けて素晴らしいわけでもなく、ひどく悪いわけでもない」という意味。
日本語でいう「まぁまぁ」や「そこそこ」という感じでしょうか。
この言葉の語源は宋の末期に遡ります。
ある画家が動物の絵を描いたのですが、頭は虎、体は馬の絵を描いたそうです。
馬でも虎でもないその絵を見て、「马马虎虎吧!」(馬馬虎虎だ!)と答えたとのこと(笑)
Encontrarse como un pulpo en un garaje 〜スペイン語〜
「ガレージにいるタコのようである🐙」
どんなにイキのいいタコでも水の中ではなく、車庫の地面に放置されていたら何もできないですよね。
タコには足が8本もあるのに「手も足も出ない、困り果てた状態」を表します。
日本語の「水を得た魚のよう」の逆バージョンですね😅
猿も木から落ちる 〜日本語〜
お馴染みのことわざが日本語からエントリーしていました🐵
どんなにその道のエキスパートだとしても、誰でも失敗することはあります。
あまり関係ありませんが、私はよく「子パンダが高い場所からコロンと落ちる」動画を見て、ほっこりしています。
Je retourne à mes moutons. 〜フランス語〜
「私の羊たちところへ戻ろう🐏🐑」
なんだかお隣のハイジ🇨🇭が言ってそうなセリフですよね。
こちらは「本題に戻ろう」という意味。
いろいろ寄り道しても、やっぱり守るべき羊たちのところへ帰る。
いい羊飼いですね😌🐕
世界の愛とロマンス編
恋い焦がれる大事な人に向けた情熱的な言葉。
…のはずなのですが、日本人にはいまいちピンと来ない、かな😅
Tú eres mi media naranja. 〜スペイン語〜
「君は僕のオレンジの片割れだ🍊」
「自分の魂の片割れ、運命の相手」という意味。
世界に一つとして同じオレンジはありません。
オレンジを半分に切ったとして、その片割れがピッタリ合わさるのは、もう一つの片割れだけですよね。
これは古代ギリシャ文学に遡ります。
プラトンの『饗宴』も出てくるアリストパネスの話によれば、大昔の神話世界には三種類の人間がいた。(中略)昔の世界は男と女ではなく、男男と男女と女女によって成立していた。つまり今の二人ぶんで一人の人間ができていたんだ。(中略)ところが神様が刃物を使って全員を半分に割ってしまった。綺麗にまっぷたつに。その結果、世の中は男と女だけになり、人々はあるべき残りの半身を求めて、右往左往しながら人生を送るようになった。
村上春樹『海辺のカフカ』上巻より引用
人生、片割れ探しの旅、ってことですね👫👬👭💕
Jeegaretō bokhoram 〜ペルシア語〜
「あなたのレバーを食べます」
衝撃的な表現ですが、住野よる『君の膵臓をたべたい』という小説や、浜辺美波主演で同じタイトルの映画が話題になったので、衝撃はそこまででもない、かな?(笑)
「愛している、あなたのためなら何でもする」という最大の愛情表現です。
モツ系が苦手な人には酷な表現かもしれないですね。
日本語にも「爪の垢を煎じて飲む」なんて表現があるので、まぁどっこいどっこいでしょうか😅
【2018年度】《ボキャブライダー》出演の浜辺美波が可愛すぎる!
最後に〜ことわざは教訓であり、ユーモアでもある〜
いかがでしょうか?
世界各国の先人のユーモアと叡智が垣間見えた気がします。
イラストレーターでもある作者のエラ・フランシス・サンダースさん。
この本では、世界のことわざや慣用句ひとつひとつに添えられたイラストがすごく心に響いて、より世界のことばの世界観に入ることができます。
今回取り上げなかったことわざや慣用句もたくさんあるので、ぜひ手に取って見てみてください。
またサンダースさんは『翻訳できない世界のことば』(原題:An Illustrated Compedium of Untranslatable Words from Around the World)という本も出しています!
こちらの記事で紹介しているので、ぜひご覧ください☺️