のり
今回は、英語界でも1,2を争う超有名単語帳『DUO3.0』の効果的な勉強方法を紹介します。
ただし、この勉強法を実践するためには、そこそこの英語力が必要です。
なぜかというと、そもそも『DUO3.0』は難しめの単語帳だからです。
大学受験でいうなら偏差値60程度、英検なら2級、TOEICなら600点くらいは取れている状態くらいの人が一番効果が高いです。
※ちょっとそのレベルには到達していないな…という人は、システム英単語やキクタンBasicなど、大学受験の基本レベルの単語帳から始めましょう。
- DUO3.0の使い方を知りたい人
- 単語・熟語力を効率よく上げたい人
- 会話で使える表現を磨きたい人
今回の主役となる単語帳はこちら
『DUO3.0』でどんな力を身につけるのか
勉強法の紹介の前に、『DUO3.0』で身につけたい力を確認しておきましょう。
なぜこんなことをするのかというと、勉強の効率が良くなるからです。
到達目標を決めないと、どこまでその参考書をやればいいのかがわからなくなります。
そこで、この記事では下記の能力を身につける目的で『DUO3.0』に取り組むことにします。
見出しの単語・熟語を見てわかる状態にする
まず、覚えるのは「見出しの単語・熟語」に絞ります。
『DUO3.0』には同義語や対義語、関連表現などたくさん収録されています。
が、『DUO3.0』の最大の魅力は、少ない例文でたくさんの単語を覚えられることなので、見出し語以外は『DUO3.0』で覚える必要はないと割り切りましょう。
また、「使える」ではなく「見てわかる」ようにするのは、そのほうが圧倒的に覚えるのが早いからです。
そもそも、単語は色々な文脈で出会わない限り、本当のニュアンスをつかめません。
なので、「見てわかる」状態の単語を増やし、多読・多聴を重ねるうちに本当の使い方を身につけるのが理想です。
そういうわけで、単語・熟語部分は「見出し語の意味を見てわかる状態」を目指します。
慣用表現が反射的に出てくるようにする
もうひとつの目標は、「慣用表現のマスター」です。
これは、先ほどの単語・熟語とは違い、自分から発信できる状態を目指します。
『DUO3.0』は14名ものネイテイブチェックが入っている例文なので、慣用表現は本当にそのまま使えます。
例えば、 I’d be glad to.(ええ、喜んで)や、I’m not up for it.(そういう気分じゃないよ)といった表現はまるっと覚えちゃいましょう。
こういう慣用表現は実際に使用してこそ真価を発揮するので、反射的に出てくる状態を目指します。
『DUO3.0』の勉強法
『DUO3.0』成功の法則
『DUO3.0』を開始するにあたって注意すべき点が2つあります。
- 文を丸暗記しようとしないこと(文構造を把握する)
- 飽きるくらい繰り返す必要があること
実は私は過去に2回DUOにチャレンジして挫折していました。
まず、はじめて挑戦したときは、例文を読み解きもせずに丸暗記しようとして挫折しました。
そして2回目に挑戦したときは、なかなか単語が定着しない感じがして挫折しました。
3回目の挑戦で、挫折せずにやり通せたのは失敗の理由を分析していたからです。
つまり、成功の要因は、例文の構造をしっかり把握した状態で、脳内で勝手に英文が再生されるくらい繰り返したことに尽きます。
この原則を守らないと、やった気になっただけで身につかない・あともう少しで定着しそうなのにやめてしまう、といった事態に陥ります。
『DUO3.0』具体的勉強法
成功のためのカギとなる考え方「例文を丸暗記しようとしない・飽きるくらい繰り返す」を踏まえたうえで具体的な勉強法をご紹介します。
とはいっても、ここで紹介する勉強法はオリジナルではなく、「英語上達完全マップ」で有名な森沢洋介氏が提唱した学習法を『DUO3.0』に当てはめたものです。
その勉強法の簡単なフローチャートがこちら。
真面目にやると、60時間くらいはかかります。
私の場合、1日約1時間×2ヶ月で仕上げました。
別売りの復習CDがないと効果は半減するので、一緒に購入しておきましょう。
それでは詳しいやり方を解説します。
STEP.1 精読
まず、文構造の把握をします。そんなに複雑な構文を使っているわけではありませんが、どの単語がどのように機能しているかを初見で把握するのは結構大変です。
なので、単語・熟語がその例文内でどういう働きをしているのかを意識して全例文を読み解いていきます。
ポイントは、単語の意味を覚えようとしないことです。
「こんな単語あるんだ~」「へえー」といった感じに留めておかないと、いつまで経っても精読が終わりません。
覚えるのはSTEP.2以降だと割り切りましょう。
私の場合、1日5セクションをノルマにしましたが、負担を考えながら進めるのが良いでしょう。
STEP.2 セグメント分割サイクル回し
セグメント分割サイクル回しという急に聞きなれない用語がでてきましたが、要は、いっぺんに全部覚えるのは大変だからちょっとずる覚えましょうということです。
オススメは、15セクションずつ3分割にすることです。
私の場合(1日1時間くらいの単語学習時間)であれば、
- 1週間目…セクション1~15
- 2週間目…セクション16~30
- 3週間目…セクション31~45
として、毎日2回は通して音読をするようにしました。
※たとえば、1週間目はセクション1~15を毎日2回音読する、ということです。
ちなみに、覚えようとそれほど意識しなくても、同じものを毎日音読していれば、なんとなく覚えてしまいます。
こうして3分の1ずつ完成させていき、全部終わったら全体をサイクル回しします。
STEP.3 全体サイクル回し
セグメント分割サイクル回しが終わったら、仕上げに全体のサイクル回しをします。
とはいっても毎日同じように音読すると、刺激が少なくなってしまうので、やりかたを少し工夫します。
私はテキストを見て音読する日と、シャドーイングをする日を交互に実施しました。
こうすることで、シャドーイングができなかった文を、次の日に確認できるので、苦手な部分をどんどん覚えていけます。
また、それでもなかなか覚えられない単語にはマーカーを塗って、音読のときに目立つようにしました。
とにかく、単調な「作業」になってしまわないように工夫が必要です。
また、音声の再生速度を変えて音読するのもよいでしょう。
私は、2週間ナチュラルスピードで音読→シャドーイングを繰り返した後、1.2倍速で1週間、1.5倍速で1週間の音読→シャドーイングをしました。
こうして全体サイクル回しを20時間ほどやれば、『DUO3.0』の学習は完成です。
『DUO3.0』を完成させたその先
『DUO3.0』は単語・熟語を効率的に覚えられる画期的な単語帳です。
が、『DUO3.0』を完璧にすればボキャビルの全てが完成するわけではありません。
では、どのような学習に進むのが良いのでしょうか。
私のオススメは、同じレベルの文脈型単語帳をすることです。
覚えた単語を文章の中で確認することで、記憶がより強固なものになります。
巷にはこの手の文脈型単語帳は多くあるのですが、『DUO3.0』からのステップアップとして使うのであれば、文単準1級が歯ごたえあると思います。
逆に、もうすこし負担を軽くして確認の意味合いを強くするのであれば、文単2級がオススメです。
さいごに~ボキャビルでブレイクスルー~
今回は例文型単語帳『DUO3.0』についてのレビューをしました。
以前、私は単語帳でゴリゴリ覚えるの苦手なんだよなぁって思っていました。
TOEICで785点を取ってから伸び悩んだのも、苦手な単語学習を避けていたからでした。
しかし、一念発起し、4か月で3冊の単語帳(金のセンテンス、DUO3.0、文単準1級)にチャレンジしました。
結果、明らかに読める文章が増え、TOEICでは一気に925点を取得することができました。
英語学習にはいくつかのブレイクスルーポイントがあると言われます。
そのひとつが、間違いなくこのボキャビル経験にあったと確信しています。
今伸び悩んでいるのであれば、ボキャビルと向き合ってみるといいかもしれませんね。