わた
自他共に認める語学オタクな私ですが、
多言語マスター わた
そんな思いで【外国語のディープな世界】シリーズを展開していこうと思います。
外国語は英語だけではありませんよ〜。
第一弾は韓国語の魅力についてです!
わたが意識して触れた最初の外国語で、思い入れも一際です😳
Koreanって韓国語?朝鮮語?ハングル?
みなさんはお隣の国の言語のことをなんと呼びますか?
「韓国語」以外に、「朝鮮語」や「ハングル」などの呼び方もありますよね。
果たしてどれが正しいのでしょうか?👀
日本での正式名称は「朝鮮語」
そもそもこの言語は、韓国のみならず、北朝鮮、中国北東部、中央アジアの一部などの朝鮮民族によっても話されています。
韓国との交流が盛んな現代日本では、一般的に「韓国語」と呼ばれることが多い印象です。
また韓国政府の呼び方もこの「韓国語」です。
一方、北朝鮮政府の呼び方は「朝鮮語」。
英語では全てKoreanとなりますが、基本的に同じ言語を指しています。
実は、言語学など学術的には「朝鮮語」で統一されており、日本政府としても、南北朝鮮を意識しない呼称として、「朝鮮語」を用いています。
そういうわけで大学などの公共教育機関では、ほとんどの場合「朝鮮語」という名称が用いられています!
でもやっぱり韓国人からしてみれば、このルールに不満があるようです。
私が大学で「朝鮮語」の授業を受講していたとき、韓国人の教授が講義名に対して非常に不満そうだったのを覚えています😅
「ハングル」という言語は存在しない
「ハングル」というのは、「朝鮮語」を表記する際に用いられる文字(あの○や□の文字)を指すので、
言語を指して「ハングル」と呼ぶのは間違いだと言えます。
「ハングル」は朝鮮語で「偉大なる文字」という意味なので、「ハングル文字」というのは意味が被ってしまって変ですね💦
まいにちハングル講座
以前オススメしたNHKラジオ講座では、他の言語では「まいにち〜語」なのに、「朝鮮語」に関しては政治的に中立であるためか「まいにちハングル講座」という番組名です。
関係者の配慮と苦慮がにじみ出ている気がします(笑)
正直、言語体系の名称にこだわる必要性は感じません。
わたが学んできたのが韓国で話されている言語であるため、このブログでは「韓国語」で統一しようと思います。
日本語に一番近い言語?
私が初めて韓国語に触れたのは、アメリカンスクール時代の韓国人の友達が話す韓国語でした。
何やら暗号のような丸や線でできた文字が不思議で独学し始めました。
語順が日本語と一緒
その時の驚きは、語順が日本語と全く一緒!!!!ということでした。👀
実は日本語のようなSOV型をとる言語はたくさんあるのですが、日本語以外では初めてだったのでとても新鮮でした。
例えば、「私は日本人です。」
という文だと、韓国語で
「저는 일본사람입니다」
(チョヌン イルボンサラミムニダ)となります。
「私」「저」(チョ)
「は」「는」(ヌン)
「日本人」「일본사람」(イルボンサラム)
「です」「입니다」(イムニダ)
そのままなんですよ!👀
「てにをは」もあるよ
また、語順の流動性・自由性という点でも同じです。
例えば日本語では、
「お母さんが公園でリンゴを食べた。」
「お母さんがリンゴを公園で食べた。」
「公園でお母さんがリンゴを食べた。」
「公園でリンゴをお母さんが食べた。」
「リンゴをお母さんが公園で食べた。」
「リンゴを公園でお母さんが食べた。」
若干違和感のある文もあるかもしれませんが、日本語としは間違っていないし、意味も普通に通じますよね?
韓国でも全く同じことができます。
これが可能なのは、日本語にも韓国語にも助詞、いわゆる「てにをは」があるからです。
韓国語でも漢字を使っていた?
実は、トルコ語やモンゴル語なども語順が日本語と同じで、てにをはも存在します。
しかし日本語と韓国語のもう一つの大きな共通点は同じ漢字圏であるということです!
多くの方が、漢字を使う外国としてとっさに思い浮かべるのは、中国や台湾なのではないでしょうか?
ハングルは、ひらがなやアルファベットのように、「一文字に音が一つ決まっている」表音文字です。
韓国語でも漢字を使っていた
実は韓国語でもつい半世紀前までは、日本語と同じように、漢字で書ける熟語は漢字で、てにをはなどはハングルで書かれていたのです!
金씨하고 約束해서 図書館에서 数学 課題를 했어요.
金さんと約束して図書館で数学の課題をしました。
面白いほど似てますよね!
ちなみに実際は旧字体が使われていましたが、今では全てハングルのみで書かれます。
もちろん日本語とは違う漢字熟語もあるので、必ず日本語と一致するわけでは決してありません。
しかし日本語と韓国語の漢字熟語のうち、日常生活で使う熟語の7割以上、学術的な専門分野(理数系や医学など)では9割以上が同じであると言われています。
現在、歴史的・政治的・社会的背景で、氏名や記号的なものを除いて、漢字はほとんど使われなくなりました。
それでも、漢字熟語自体は依然として残っているので、日本語でいうと、「全てひらがな(あるいはカタカナ)だけで書かれている」みたいな感じです。
韓国語の漢字は音がひとつだけ
韓国語ではほとんどの漢字が、ひとつの漢字に、ひとつの音(オン)しかありません。
また日本語のような訓読みもないので、本当にひとつの音のみを覚えればいいんです!
すごく楽ですよね😅
このおかげで、初めて目にする(耳にする)韓国語の熟語も、漢字を推測することによって意味がわかるし、
逆に、ある韓国語の熟語がわからなくても、日本語の漢字熟度から推測して訳すことが可能なのです👌
韓国人と北朝鮮人、ことばは通じる?
大国がもたらした朝鮮戦争(1950-)の結果、朝鮮民族が南北に分かれてしまいました。
既に述べた通り、韓国で話されている言葉も、北朝鮮で話されている言葉も、どちらも同じ言語です。
ただ停戦状態のまま、交流が乏しい時代が70年近く続いたため、両地域の言語に乖離してしまいました。
日本語では外来語の氾濫が問題視されて久しいですが、韓国語でも同じように、英語をはじめとした外来語を多く取り入れました。
結果として、日常生活ではかなりの割合で英語由来の外来語が使われています。
一方、北朝鮮ではそもそも外来語が少ない上、英語は敵国語なので、その外来語の割合は低く、代わりにロシア語からの外来語が使われています。
そのため、現在の韓国人と北朝鮮人の間では、ある程度言葉は通じるものの、外来語をできるだけ使わないで会話をしないと、意思疎通が難しい状態にあります。
韓国語はここが難しい!かも
ここまで「日本人に韓国語はオススメですよ〜」という話をしてきました!
でもどの言語でも難点はあるので、いくつかご紹介します。
①韓国語は母音が10音、子音が14音
この数はハングルを構成するパーツの数を基準とした数え方なのですが、数え方によっては、この数は増減します。
母音:ㅏ ㅑ ㅓ ㅑ ㅗ ㅛ ㅜ ㅠ ㅡ ㅣ
子音:ㄱ ㄴ ㄷ ㄹ ㅁ ㅂ ㅅ ㅇ ㅈ ㅊ ㅋ ㅌ ㅍ ㅎ
どちらにせよ、母音・子音の数ともに少ないと言われている日本語話者からすると、正確に正しく発音するのにはコツが必要です。
②同音異義語の多さ
韓国語では漢字を使わなくなりましたが、漢字熟語はなくなったわけではありません。
日本語でも、例えば「コウショウ」という音の熟語は、
交渉、考証、校章、公証、口承、、、と数多くあります。
同じように韓国語でも、同音異義語はたくさん存在します。
基本的には漢字を使わないため、見た目が全く同じな単語が山のようにあり、文脈によって理解する必要が出てくるのです😂
③日本語ネイティブならではの難しさ
日本語と韓国語は似ているという話をしてきましたが、違いももちろんあります。
ここまで似ていると、日本語で当たり前なことが、韓国語でも当たり前だと考えてしまうことがあり、注意が必要です。
例えば、日本語にも韓国語にも存在する敬語です。
どちらも尊敬語と謙譲語があるのですが、日本語ではウチ・ソトという基準で敬語を使います。
一方、韓国語では、絶対敬語が基本です。
例えば、日本の会社では、社長に話すときは敬語で、
日本の平社員
上司である課長に社長の話をするときも敬語で、
日本の平社員
となります。これが対外的な場面になると、
日本の平社員
となり、「山田社長はいらっしゃいません❎」とはなりません。
しかし韓国語では、ウチもソトも関係ありません。
自分の立場と相手の立場は固定的なので、どのような場面で話そうと変わりません。
つまり韓国語では、対外的な場面でも、
と言わなければならないのです。
日本の方式で韓国語を使えば、無礼にさえなってしまうということです💦
敬語が代表的な例ですが、韓国語の文法も日本語に似ているが故に間違えてしまうこともあるので、気をつけないとですね。
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おわりに
いつも不思議に思うのですが、たくさんの言語がひしめき合っているヨーロッパを見ると、どの国も隣国の言語を学ぶことが当たり前なのに、日本ではすぐ隣の国の言葉をあまり学ばないのはなんででしょう?
もちろん歴史的な背景や経済面など、一様に比べることはできませんが、外国語は英語だけではありません!
この記事を通して、ひとりでも多くの人にお隣さんについて関心をもつ機会になればな、と思います。