わた
16年住んだ帰国子女が語る【黄金の国ペルー】では、ペルーの地理や歴史をご紹介しましたが、
今回は、日本人にはあまり馴染みのないペルー料理をご紹介します。
【黄金の国ペルー】ってどんな国?16年住んだ帰国子女が語るその魅力
日本ではあまり知られていませんが、なんとワールド・トラベル・アワード(World’s Travel Awards)の食部門(World’s Leading Culinary Destination)において、
ペルー料理は2012年から2017年まで6年連続の最優秀賞に選ばれています!
このワールド・トラベル・アワードは、旅行業界において世界をリードしている優秀な企業やサービス、観光地に贈られる賞で、映画業界でいうアカデミー賞のようなものです。
そもそもペルー料理とは?
世界でも名高いイタリア料理。そこに欠かせないトマト!
その原産地が、ペルー・南米って知ってましたか?
そのほかジャガイモ、トウモロコシ、唐辛子、ピーマン、また最近注目のスーパーフード、キヌアも南米アンデスの高地が原産地なんです!
どれも料理には欠かせない、定番の食材ですよね。
世界のグルメは、南米発祥の食材であふれているんです。
もちろんこれらの食材が世界に渡った後、品種改良が重ねられたわけですが、
ペルーは原産地だけあって、単に「ジャガイモ」と言っても何十種類もあるんです!
そこまで品揃えの良くない市場でも、大きさ、色、食感の異なるジャガイモが5、6種類は売られています。
トマトだって3、4種類、ピーマンや唐辛子も、様々なものが売られています。
つまり、ペルー庶民の食卓にこれだけ豊富な食材がうまく使い分けられて料理されている、ということで、
この料理にはこの食材が欠かせない!というこだわりのようなものも感じられます。
世界の美味の融合
ペルーは侵略、移民、奴隷、開拓など多様な形で、スペインやイタリア、ドイツ、アフリカ、中国、日本など、世界中の人たちを受け入れてきた歴史的背景があります。
原住民の人たちの食文化に世界各国の美味が取り入れられ、融合した結果がペルー料理なのです!
複数の海流がぶつかり、混じり合う場所が好漁場になるのと同じく、世界中のグルメが集まったペルーは、結果として豊かな食文化を育むことができたのでしょう。
それでは、さっそくわたがおすすめするペルーの伝統料理をご紹介します!!
Ceviche(セビチェ)
ペルーの真夏のお昼にオススメなのが、セビチェ!
唐辛子のピリ辛と、ライムの爽やかな香りがたまらない、ペルー風魚介マリネです。
赤タマネギ、トマト、ライム、オレガノ、唐辛子を塩とオリーブオイルで味付けしたマリネ液に、
生のペヘレイ(イワシの一種)や好みの白身魚、エビ、タコ、ホタテなどを加えます。
これだけだと結構スパイシーなので、箸休め、ならぬフォーク休めに、
アボカドや、茹でたカモテ(サツマイモの一種)、茹でたチョクロ(トウモロコシの一種)、
またカンチャスという香ばしく煎ったチョクロなども添えます。
また魚の旨味が出た白いマリネ液は、Leche de tigre (虎の乳)として一緒に出すこともあります。
生魚(加熱していない魚)には抵抗のあるペルー人のくせに、セビチェは誰もが愛する夏の国民食です(笑)
セビチェは家庭で作られることはあまりなく、Cevichería(セビッチェ専門店)に行って食べるのが普通です。
Chupe de Camarones(チュペ・デ・カマロネス)
ザリガニのような川エビを牛乳ベースで煮込んだスープなのですが、
ムール貝などの魚介類やジャガイモ、グリーンピース、半熟卵、ご飯なども入るので、かなり具沢山で食べ応えがあります。
ペルー風のお鍋みたいな感覚かもしれません。
ペルーのスープ料理の中では贅沢な部類に入り、Cevicheríaでもメニューに載っています。
肌寒い冬にはもってこいですね。
Lomo Saltado(ロモ・サルタード)
子供から大人まで大好きな家庭料理です。
牛肉と赤タマネギ、トマト、パプリカを炒めた料理で、
ご飯とフライドポテトと共にいただきます。
味の秘訣はニンニク、クミン、バルサミコ酢、そしてなんと醤油です!
実はこの料理、19世紀に移民してきた中国人に影響されたもので、
今では、家庭はもちろん、ペルー料理屋であれば、どこでもメニューに載っている定番料理です。
Pollo a la Brasa(ポヨ・ア・ラ・ブラサ)
トリの丸焼き!炭火焼ローストチキンです。
親戚が集まったときや、誕生日などのお祝い事がある日に欠かせません!
こちらも家庭ではまず作らず、Pollería(ポヨアラブラサ専門店)で食べます。
店頭では、たくさんのキツネ色になったトリたちがくるくる回転しながらじっくりと焼かれている光景を見ることができます(笑)
外はパリッ、中はじゅわぁ。
普通のローストチキンとの違いは、やはり味付けに使われるスパイスですね。
塩コショウのほかに、ローリエやクミン、アヒパンカと呼ばれるあまり辛くない唐辛子が使われていて、絶品です。
Anticucho de Corazón(アンティクーチョ・デ・コラソン)
牛ハツの串焼きです!
こちらも先ほどご紹介したPolleríaのメニューに必ず載っています。
赤ワインとニンニクをベースに作った液に一晩漬けてから、炭火で焼きます。
このままでも美味しいのですが、生唐辛子で作ったSalsa de ají(アヒソース)や、
オレガノやパセリなどの香草とニンニクとオリーブオイルで漬けたChimichurri(チミチュリ)と一緒に食べると、
その美味しさは100倍増しです!
Rocoto Relleno(ロコト・レイェノ)
富士山に似ているとも言われているミスティ山(標高5,822m)で有名なアレキパ県の郷土料理です。
一見大きなトマトのように見える唐辛子(Rocoto)に牛ひき肉とチーズを詰めたものです。
このRocotoの辛さは、ペルーの唐辛子の中でも飛び抜けていて、
料理でRocotoを扱う際は、必ず手袋をし、蛇口の取っ手など下手に触らないように注意する必要があるくらいです。
誤って目を触ってしまったら、ほんっとうに大変なことになります(母の経験談w)
未処理のものは手で触っただけで、ヒリヒリします。
お店によっては辛さをリクエストして注文できる場合があるのですが、
Rocotoの中の白い筋が激辛なので、そこをどれだけ残すかで調整できます。
辛いものが大好きなわたにとっては一番のおすすめなので、辛い物好きな方はぜひ!!
Papa a la Huancaína(パパ・ア・ラ・ワンカイーナ)
アンデス山脈にある町、ワンカーヨの郷土料理ですが、今では家庭料理としても有名です。
Papa(パパ、スペイン語でジャガイモ)を茹でてスライスし、
ナチュラルチーズと生唐辛子をミキサーにかけたソースをかけていただきます。
冷めても美味しい料理で、冷たいのに辛い!というギャップが楽しい一品です。
Chicha Morada(チチャ・モラーダ)
紫トウモロコシをパイナップル、リンゴ、砂糖、シナモンなどと一緒に茹でた汁にライムを加えた、定番中の定番ジュースです!
トップの写真が紫トウモロコシなのですが、見た目はどちらかというと黒に近いのですが、
茹で汁は濃い紫色になります。
一見するとブドウジュースのようなのですが、味は、、、ブドウではないけど、フルーティな感じです(笑)
ただし!飲む際には注意が必要です!
というのも、この汁、一度服についたら、決して!!決して!!!取れません(涙)
濃い色の服を着て、いただきましょう。
ちなみにこの色素はポリフェノールの一種なので、高血圧対策にいいそうですよ。
Inca Kola(インカ・コーラ)
もう一つのペルーの国民的ドリンクといえば、このInca Kolaです!!
食事の際には、必ず何かしらの甘いドリンクが食卓に並ぶのですが、Inca Kola率は半端ないですね(笑)
色にびっくりすると思いますが、バニラ味のようなレモン味のような、非常に描写しにくい味です(笑)
ペルー全国、どこのキオスクやスーパー、レストランに行っても飲むことのできる、国民的炭酸飲料です!
残念ながら、数年前にコカコーラ社に買収されてしまいました😂
なんとAmazonや楽天でも購入できるので、ぜひ一度飲んでみてください♪
おわりに
わたがオススメするペルー料理の数々、いかがでしたか?
と言われても実際食べてみないとわからないですよね。
私はこの記事を書きながら、よだれが出そうでツラかったです(笑)
決して多くはありませんが、日本にもペルー料理や中南米料理を提供するお店があるので、
ぜひ一度足を運んでみてください。
わた