こんにちは!マルチリンガールわた (🐤@norinoricotton)です♪
今回はワールド・トラベル・アワード(World’s Travel Awards)の食部門(World’s Leading Culinary Destination)において、
2012年から2017年まで6年連続の最優秀賞に選ばれているペルー料理からChifa(チーファ)をご紹介します!
ワールド・トラベル・アワードは、旅行業界において世界をリードしている優秀な企業やサービス、観光地に贈られる賞で、映画業界でいうアカデミー賞のようなものです。
南米発祥の中華料理という謎の立ち位置ですが、ペルーに行ったら絶対食べてほしい料理の一つです😋
Chifa(チーファ)以外の絶品ペルー料理はこちらで紹介しているので、是非ご覧ください!
なんで南米ペルーに中華料理が?
19世紀、奴隷制度が廃止されたアメリカ大陸では、それまで重労働を担わされていたアフリカ系の人たちに代わって、労働力が必要とされました。
アメリカでは大陸横断鉄道の建設のため多くの苦力(クーリー)と呼ばれる中国人の移民や出稼ぎ労働者が働き手として駆り出されたのが有名ですね。
ペルーもその例外ではなく、ペルー各地にあるコーヒーやサトウキビなどのプランテーション(大規模農園)で深刻な人手不足が発生していました。
そこで、多くの苦力たちがその仕事を担うことになったのです。
ペルーに移民してきた中国人のほとんどが中国広東省南部出身。
これは、出稼ぎ労働の手続きが当時ポルトガルの植民地であったマカオで行われていたためです。
彼らは遠い異国の地で故郷の味を再現できるように、中国野菜を持って来てペルーで栽培をしたり、調味料を自分たちで作ってみたり、と試行錯誤を繰り返しました。
そして、彼ら中国系移民が作る中華料理はChifa(チーファ)と呼ばれるようになったのです。
今では、チーファを提供する中華料理店自体もチーファと呼ばれます。
Chifa(チーファ)の語源
チーファの語源ははっきりしていません。
お酒と食事を指す「酒饭」()や、食事をするという意味の「吃饭」(chī fàn)が考えられます。
またチャーハン(炒饭:chǎofàn)のことをペルーではchaufa(チャウファ)と言うのですが、これが訛ったのではないか、という説もあります。
中国系移民の人たちが広東省出身で広東語を話していました。
しかし語源とされる漢字の読みは広東語読みではなく、北京語(官話)です。
これは、その時代の広東語の言語的地位が決して高くなかったからではないかと言われています。
ペルー人にとってChifa(チーファ)とは?
経済格差の激しいペルーですが、Chifaは幅広い社会階層に人気のある料理です!
あまり裕福ではない地域にも、お金持ちばかり住んでいる地域にも、オフィスビル街にも、それぞれの予算に合ったチーファが存在します。
必ずメヌー(menú:スペイン語で定食)が用意されていて、スープとメインがセットで提供されるので、大食いのペルー人にも大人気です。
地域にもよりますが、安いものだとセットメニューで5ソル前後、日本円で150円くらいです👍
「外食しよう」という話になったら、 Pollería(ポジェリーア:ポヨアラブラサ専門店)と共に、必ず候補にあがるのがチーファ。
首都のリマだけで6,000軒以上のチーファがあり、私が行ったペルー地方都市でも、チーファがない町はありませんでした!
ペルー国民に親しまれているチーファはペルー政府もペルー料理として認識しています。
エクアドルやチリ、ボリビア、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアなど周辺国のほか、アメリカやスペインにもチーファの文化が進出しているそうですよ👀
ちなみにペルー人はお箸を使えないので、フォークとナイフ、レンゲで食べるのが一般的です。
お箸自体出されることはほぼほぼないのですが、注文すれば必ず出してもらえますよ♪
(お箸をお願いします)で、プラスチック製の先が細くない、長ーいお箸が出てきます!👍
在ペルー日系人にとってのChifa(チーファ)とは
ペルーに生活基盤を置いている日系人や、長期間ペルーに住んでいる人にとって、日本料理はなかなか貴重かつ高価なものになってきます。
そんなときに、お手頃価格で食べられる中華料理は非常にありがたいものです。
どういうことかというと、日本に住んでいると、中華料理は「油っぽい」「味が濃い」「辛い」というイメージが先行するものです。
しかし地球の裏側では、白菜がたっぷり入ったダシの利いた温かいスープや、お野菜たっぷりの野菜炒めは、どこか落ち着く、懐かしい味になるのです。
これが不思議と。
やはり地球の裏側から見た日本や中国はイメージが似てくるんでしょうか←
どうしても野菜が少なめなペルー料理に囲まれると、チーファが食べたくなるんですよ😋
ペルーの日系コミュニティーと中国系のコミュニティーの間には交流が結構あります。
日本食材や日本野菜を手に入れたい時には、チャイナタウンや中華系のスーパーに行くと買えたりします👍
Chifa定番のオススメ料理
以前、イキートス(Iquitos:ペルーアマゾン地域で最大の都市)のチーファを訪れたとき、チャーハンに焼きバナナが添えられていて流石に驚きました😅(笑)
でも基本的にチーファで提供される中華料理は本場の中国料理とあまり違いがないものがほとんどです!
ちなみにチーファに「焼き餃子」はありませんよ〜。
ここで私も実際食べていたチーファの定番中の定番料理をいくつかご紹介します🙋♀️
▶︎まずは、セットメニュー(メヌー:menú)のうち、スープ部門から😋
Sopa Wantán(ソパ・ワンタン)
ワンタンスープです!
たっぷりの白菜とワンタンが入っています。
ワンタンの中のひき肉は、ちょっと控えめな量なのが特徴です(笑)
Sopa Fuchifú(ソパ・フチフー)
こちらは漢字でどう書くのか分からないのですが、とろみのついた鶏がらのスープベースに、溶き卵が入っています。
トロッとしているので、寒い冬にぴったり。
あまり食欲のないときにもオススメです。
Wantán Frito(ワンタン・フリート)
揚げワンタン♪
こちらはスープではないのですが、スープ以外のものを頼みたい人用に、セットメニューのスープの代わりに頼めます。
甘辛いタマリンドソースが絶品です。
▶︎次にセットメニュー(メヌー:menú)のうち、メイン部門から!
Arroz Chaufa(アロス・チャウファ)
普通の美味しい炒飯(チャーハン)ですが、ボリュームがすごいです!
ペルーのお米はインディカ米という長細い品種で、粘りがほぼなく、パラパラなのが特徴です。
おうちで作っても、チーファで食べても、もちろんチャーハンはパラパラ♪
Tallarín Saltado(タヤリン・サルタード)
こちらは炒麺!
茹でた中華麺に、とろみのついた野菜と豚肉や鶏肉、エビなどがかけてあります。
焼きそばみたいな感覚でしょうか。
メニューに載っていないことが多いのですが、店員さんに言えば、麺を揚げ麺に変更することも可能です👌
Combinado(コンビナード)
一つのお皿に、先ほどのArroz Chaufa(アロス・チャウファ)とTallarín Saltado(タヤリン・サルタード)が半々で来ます!
どちらも食べたい欲張りさんは、こちらをぜひ(笑)
Aeropuerto(アエロプエルト)
スペイン語で「空港」という意味です✈️
先ほどのCombinado(コンビナード)に似ているのですが、余りものの食材で作ったと思われる炒飯と炒麺が大体半々で来ます😅
どちらかというと裏メニュー感覚、まかないのようなものですね。
比較的グチャっとした見た目から、様々な外見の人がごった返す空港をイメージしたと思われます(笑)
番外編:Inca Kola(インカコーラ)
基本的に食事には甘い炭酸飲料が欠かせないのがペルー人です!
ジャスミンティーも頼んだら出てきますが、十中八九このインカコーラと共にチーファの料理を頂きます。
色にびっくりすると思いますが、バニラ味のようなレモン味のような、非常に描写しにくい味です(笑)
ペルー全国、どこのキオスクやスーパー、レストラン、ホテルに行っても買って飲むことのできる国民的炭酸飲料です!
残念ながら数年前にコカコーラ社に買収されてしまいました😂
なんとAmazonや楽天でも購入できるので、ぜひ一度飲んでみてください♪
最後に〜地球の裏側の中華料理をぜひ〜
今回はご紹介しませんでしたが、日本で定番の麻婆豆腐や春巻きなどももちろん食べられます!
ただ一般のペルー人の認知度はイマイチなようです。
ペルーに住んでいたときよく行っていた行きつけのチーファでは、ペルー人に見せるメニューとは別に、中国人向けのメニューがありました。
そちらは漢字のみでぎっしりメニューが書いてありました。
店員さんはみんなペルー人でも、オーナーさんやシェフが中国系の人であることが多いので、スペイン語と漢字の交流を楽しんでみるのも面白いかもしれません。
定番のいわゆる「ペルー料理」に飽きたら(飽きないと思いますが)ぜひ地球の裏側の中華料理を食べてみてくださいね😋
わた